てくてく香港2日目

歴史と夜景とマーケット

はじめに

旅の2日目は、早朝の黄大仙廟から始まりました。
香煙が立ちのぼる境内に一歩足を踏み入れると、眠気さえもすっと消えていきます。
昨日見た高層ビル群や華やかなネオンとは打って変わって、ここには“祈り”と“静けさ”がありました。

この日は、香港の街歩きとあわせて、中国本土・深圳にも足を延ばす予定。
ひとつの都市にとどまらず、また新たな境界を越えていく――そんな1日です。

にぎやかなナイトマーケット、
吹き抜ける夜風とともに走るオープントップバス、
そして“物好きしか来ない”と言われる穴場スポット・ストーンカッターズ橋まで。

この日は、旅人としての好奇心が導くままに、香港の“もうひとつの顔”に出会った気がしました。

🌄 7:30|黄大仙廟 静けさと祈りに包まれる朝

- 赤と金の装飾に込められた、人々の願い

旅人の朝は早い。
MTRに揺られながら、眠気と闘う時間もまた旅の一部。

辿り着いたのは、香港を代表する道教寺院「嗇色園黄大仙廟(シクシクエン・ウォンタイシン)」

街の喧騒に囲まれながらも、ここには別世界のような静けさが流れていました。
赤く染まった柱と屋根、立ち上る香煙の香り、そして絶え間なく訪れる人々の祈り。

香港という都市の中に、これほどまでに“精神的な空間”があることに驚かされます。

この寺院は願い事が叶うと信じられており、風水や占いの名所としても有名。
朝から多くの参拝客が線香を手に訪れていて、地元の人々にとっていかに大切な場所であるかが伝わってきました。

賑やかな香港の旅の中で、こうした“立ち止まって願う時間”が持てたこと。
それ自体が、なんだかとても意味のある体験だったように思います。

入口で信仰の道具買わされたんだけど…入場料かと思ったら、張り紙に“路上販売に注意”って書いてあった。

え、それ詐欺じゃないの?

信仰より先に現実を学ぶ旅、はじまりました〜。

🏯 9:00|曾大屋 昔日の香港が息づく城壁の中へ

– 人々の営みが続く、時の止まったような空間

黄大仙廟を後にして、次に向かったのは沙田(シャーティン)エリア。
最寄り駅は「車公廟(Che Kung Temple)」。そこから10分ほど歩くと、忽然と現れる曾大屋(Tsang Tai Uk)

高層マンションが並ぶ香港の中で、まるで時間が巻き戻ったかのような場所でした。
灰色の城壁に囲まれた古い住宅群――清の時代に建てられた客家式の村落で、いまなお人が住み続けているということに驚き。

観光地のようでいて、観光地ではない。
人の気配はあるけど観光客はほとんどいない。そんな独特の“空白の時間”がここには流れていました。

本来こうした場所では見学を控えるべきかとも思ったけれど、香港政府の公式観光情報では訪問OKとの記載あり。
感謝の気持ちを持ちながら、静かにその佇まいを味わいました。

レンガと石造りのアーチ、低く並ぶ家々、干してある洗濯物まで、どれもが“今と昔”を同時に感じさせてくれる。
きっと昔の香港には、こういう風景がたくさんあったんだろうな。

ここは派手さはないけれど、本当に来てよかったと思えるスポットでした。

こういう歴史のある場所、ずっと残っていてほしいな。

🚉 10:30|羅湖駅 境界を越える、その手前で

– 中国との“あいだ”に立つ駅で、もうひとつの旅へ

曾大屋をあとにして、いよいよ香港北部の終着点・羅湖駅へ。
ここは中国本土・深圳(シンセン)へ渡るためのイミグレ駅。この日は、ここから深圳に日帰りで足をのばす予定です。

とはいえ、実はこのあたりでいくつかのスポットに寄るつもりだったんですが……
見事に全部、臨時休業 or 営業時間外。まあ旅ってそういうもんだよね(笑)

でもそのおかげで、ちょっと予定が空いて、境界の空気をゆっくり味わう時間ができました。
向こうには、もう中国の大地が広がっている。
日本って島国で、ふだん「国境」って意識することがないから、こうして物理的に“境い目”を体感すると、ちょっと不思議な気分になります。

このあとは深圳パートに突入するんだけど、そちらは別記事で紹介しています✍
気になる方は、ぜひそちらもどうぞ!

中国 深圳 福田区 地下通路

未来都市・深圳を歩く

高層ビルと静けさと、ちょっとの驚きを歩いた日​

☕ 17:00|中環でひと息 牛肉麺で旅の再始動

– あの有名店、九記牛腩との出会い

深圳から香港へ帰還。再び活気あふれる中環(セントラル)へ。

ここでは、ネットでもよく名前を見る「九記牛腩」という牛肉麺の超有名店へ。
運よく行列なしで入れてラッキー✨

注文したのは、厚切りの牛肉が乗ったラーメン。

スープに染み出す牛の脂が、麺と絶妙に絡んで……うん、普通に美味い!!!
しっかり旨みがあるのに、重すぎない。なるほど人気なのも納得。

ただね、正直に言うと――
「これは人生で一番かも!」って感じではなかったかな(笑)
旅行中の限られた時間で並ぶ価値があるかどうかは、好みによるかも。

でもお店の雰囲気や、観光の合間にさくっと寄れる気軽さは抜群。
香港フード初挑戦としてはちょうどいい一杯だったと思います!

マカオ旅含めて、やっとエッグタルトとチャーハン以外が出てきたね。

記念日やなこれ。

🚌 18:30|オープントップバスで巡る香港の夜

– ネオンサイン、喧騒、そして走り抜ける風

「香港に来たら絶対に乗りたかった!」
そう思っていたオープントップバス。ついに念願の搭乗✨

夜の香港、風を切って走る2階建てバスからの眺めは……
いやもう、感動モノ。

ネオンサインが目の高さに現れ、ビルの合間をぬうようにして進むバス。

これまで遠くから見ていた“あの夜景”が、ぐっと近くに感じられる。
人や車の動き、街の息遣いまでも伝わってくるようだった。

しかもチケットは、現地で直接買うとかなり安い。
私は約2000円で参加できました!(※ネット予約より断然お得)

ただし注意点が一つ…

オープントップバス……思ってたより、カップル多くない?

はい、今すぐエッグタルト買って隣に置こか?

クリスマスイブだからね、しょうがないね!
でも、そんなの気にしない。

この景色は、一人だろうと誰とでも、絶対に見る価値がある。

🌉 21:00|ストーンカッターズ橋で輝く光の港

– 金融都市とは違う“もうひとつの香港”に出会った夜

観光客の姿はほとんどない。
聞こえるのは、風の音と、遠くで響く貨物クレーンの金属音。

今回の旅で一番の“穴場”かも。

ここ「ストーンカッターズ橋」は、アクセスは少し不便だけど、
そのぶん静かで、光に包まれた港湾エリアの夜景は、まさに圧巻。

思い出してみてほしい。
これまで見てきた香港の夜景――
スカイ100やアベニュー・オブ・スターズから見た“金融都市・香港”。

でも、ここにあったのは違った。
「港から始まった街・香港」のもうひとつの姿。
コンテナ、クレーン、大型の橋――すべてが光に照らされ、まるで静かに息づいているようだった。

観光地じゃなくても、こんなにも心が動く景色がある。
この街は、本当にいろんな顔を持っている。

🌃 22:30|深夜のマーケットとワンタンの余韻

– 眠らない街の喧騒と、心ほどける晩ごはん

「この街、ほんとに24時間動いてる……」
そう思わずつぶやいてしまうほど、深夜でも活気に満ちていた。

旺角〜尖沙咀間を歩きながら、ふらっと立ち寄ったナイトマーケット

人、人、人。
屋台にネオン、ストリートパフォーマンス、ちょっと怪しげなお店――
でも、すべてがこの街の魅力に見えてくる。

そしてこの時間、ふいに訪れるお腹のすきま

そんなときに出会ったのが、あの有名店のエビワンタン麺だった。

ひとくち食べれば、ふわっと香る海老の風味。
ぷりっとした食感がたまらなくて、「いや…深夜にこれはずるいでしょ…」ってひとりごと。

……なんか、これが本当の“旅の食レポ”って気がしてきた。

うん今まではただの“主食ループ”やったからな。

食べながら、旅の終わりが近づいてることをちょっとだけ思い出す。

でも、「この街にはまだまだ知らない味と景色がある」
そう感じさせてくれる、香港の深夜だった。

最後はチムサーチョイまで歩いて、またあのチョンキンマンションへ。
ちょっとくたびれた部屋、でも今日はなんだか、心地よかった。

📘 Day2のまとめ|街の息づかいをたどる旅

昼は、香港の中に残る祈りと歴史の風景を訪ねて、

夜は、光と音に満ちたネオンの街を見上げて

にぎやかでせわしないのに、ふとした瞬間に静けさと余白があって――
そんな香港の表情に、今日もたくさん出会えた気がします。

そして気づけば、心に残るのは夜風の心地よさと、あのエビワンタンの味。
旅って、不思議ですね。

「ただ歩くだけで、世界がちょっと近くなる」
香港の街が、そう教えてくれた一日でした。

さて、Day3ではまた新たな香港の表情と出会います。
次回もお楽しみに!