てくてく香港1日目
はじめに
香港での3日間の旅が、はじまりました。
この日はマカオからの移動を経て、香港の街をてくてくと歩いた1日目。
モンスターマンションからはじまり、トラムに揺られて中環まで。
夜にはSky100、アベニュー・オブ・スターズ、そしてヴィクトリアピークから夜景を満喫しました。
限られた時間のなかで、できるだけ多くの「香港らしさ」に出会えた日。
そんな1日目の旅の記録を、ここにまとめます。
🌅 7:00|橋を越えて、香港へ
- マカオからの移動と、旅のスタート地点・チムサーチョイ
マカオの夜を越えて、朝の光の中、私は橋を渡った。
バスが海を滑るように走るあの“港珠澳大橋”を越え、香港の地へ。
国境を越える感覚――だけど、どこか親しみもあって、
眠気と興奮が混じったまま、旅の第2章が始まった。
この日、最初の目的地はチムサーチョイ。
朝7時、入境後すぐにMTRを使って向かった。
目的はまず“両替”…そう、あの有名な重慶大厦(チョンキンマンション)での両替が定番らしいから。

って空いてないじゃん!
自分が普段爆睡してる時間に“空いてない!”って言うのおもろない?


。。。
そりゃそうだ、朝の7時だもの……笑
予定変更!旅は柔軟性が命。
まずは香港島方面へ向かうことにした。
🏙️ 8:00|モンスターマンションに見上げる現実
– 住宅密集地が語る“暮らしの重み”と旅の発見
朝8時、香港島の東・太古駅で降り、向かったのは「モンスターマンション」。
ひしめき合う高層住宅群は、ただそこに立っているだけで、圧倒的な“現実”を突きつけてくる。
香港で暮らすということの厳しさ、そして、その中で営まれる多くの命の温度。
観光スポットとして名高いこの場所にも、間違いなく生活があって、日々がある。
ちょうど同じ時間に来ていた韓国からの旅行者と写真を撮り合ったのも、なんだかいい思い出。
近くのパン屋で買ったエッグタルトを片手に、私はこの巨大なコンクリートの渓谷をしばらく見上げていた。
ただの「映え」じゃない。ここには、写真に収まらない香港のリアルがある気がした。
(またエッグタルト食べてるよ。。。)

🚋 8:30~10:30|トラムとてくてく街歩き
– 北角から中環まで、香港の都市構造と生活を感じながら
太古から北角まではトラムで、そこからはひたすら歩き。
道中で通ったのは、銅鑼湾、湾仔、金鐘、中環――香港を代表する街たち。
オフィス街と庶民的なエリアがひしめきあう、濃密な5km。
高層ビルが林立するオフィス街の隣には、昔ながらの住宅街やローカルな食堂が並び、トラムがそのすき間を縫うように走っていく。まるで異なる時代が共存しているようだった。
歩くたびに、香港という都市の“顔”が変わっていく。
道端の不動産広告に目をやれば、その価格に二度見する。
空を見上げれば、住まいのバルコニーに干された洗濯物。
ビルの壁に、日本語の古い看板――
一歩いっぽが、旅の「発見」で満ちていた。
私は、やっぱりこういう“歩いて感じる旅”が好きだと改めて思った。
たとえ目的地がなくても、都市の脈を感じながら歩くことは、それ自体が目的になる。
🧳 10:30|チョンキンマンションでの体験
– 安さと雑多さ、そしてリアル。旅人が惹かれるのには理由がある。
旅の拠点に選んだのは、あの「重慶大厦(チョンキンマンション)」。
ネットで名前を聞いたことのある人も多いかもしれない。
香港のチムサーチョイという好立地にありながら、格安の宿が並ぶ独特な建物だ。
いざチェックイン。
……狭い。想像以上に狭い。そしてシャワーとトイレが同じ空間にある。
温水はどう出すのかすらわからず、貯水槽を見つめてしばらく格闘。

ねえ…貯水槽の沸かし方が…分からない…
詰んだやん。

この手探り感こそ、チョンキン体験の真骨頂かもしれない。
ただ、4500円という破格の価格でこの立地に泊まれるのはやっぱりすごい。
清潔とは言わないけれど、泊まるだけなら全然問題なし。
「旅の宿は眠れればOK派」には天国かもしれない。
雑多な空気と、それでもどこか安心感があるこの場所。
“安宿”という文化を体験できる意味でも、一度は訪れてみて損はない。
チョンキンマンションについては、以下の記事で完全攻略しています!

チョンキンマンション完全ガイド
😴 12:00~|ひとやすみという名の爆睡
– “何もしない時間”もまた旅。体力ゼロ、気力もゼロ。でも、それでいい。
昼下がり、私は眠りに落ちた。
理由は単純。前日から全く寝ていないから。

昨日から、てくてく歩いて40kmでした。
“てくてく旅ごと”って名前で40kmは詐欺じゃない?

マカオでも一日中歩き回り、深夜に香港入り。
そのまま朝から活動していたのだから、体力が尽きるのも無理はない。
チョンキンマンションの狭いベッドに身体を投げ出し、
気づけば夜までぐっすり――記憶がまるっと飛んでいた。
でも思うのです。
「こういう時間も旅だな」と。
観光地を巡るだけが旅じゃない。
歩き疲れて眠ってしまうのも、土地に体をゆだねるという意味では、立派な“旅の一場面”。
しっかり休んだおかげで、
このあとの香港の夜景を思い切り楽しむ準備が整った。
🌆 18:00|Sky100から眺める、金融都市のきらめき
– 高層ビルが織りなす光のパノラマ
昼の疲れを癒したあと、バスに揺られて向かったのはSky100。
地上100階という圧倒的な高さから、香港の街並みを見渡せる展望スポットだ。
12月の香港。18時にはすでに日が沈み、空には夜の帳が降りていた。
そして――
目の前に広がるのは、言葉を失うほどの絶景。
都市の鼓動が、静かに夜を照らしていた。
ビルの一つ一つが宝石のように輝き、光の川のように道路が流れ、その合間には暮らしの灯りが静かに瞬く。
眼下には、まるで別世界のような住宅街の夜景。
この街に住む人々の営みが、その光の点滅に表れているようだった。
「あの一つ一つの窓に、誰かがいるんだな」
そんなことを思いながら、静かに眺めていた。
ここで偶然出会ったフィリピン人旅行者と、お互いに写真を撮り合ったのもまた旅の醍醐味。
知らない誰かと、同じ景色を分かち合う。
それだけで、この夜は少し特別になる。
🌠 20:00|シンフォニー・オブ・ライツ
– 金融都市が音と光で語る8分間のショー
毎晩20時、香港の夜を彩るシンフォニー・オブ・ライツがはじまる。 都市が踊る、音と光の幻想に包まれて。
金融センター群のビルがレーザーを放ち、音楽とともに光が連動。
ただの“夜景”とは違う、“都市が魅せるショー”だった。
レーザーは空高く伸び、音楽は鼓動のように心に響き、香港という都市が、生命をもって動き出したようだった。
世界中から来た人々が、その瞬間をカメラに収め、歓声とともに光の世界に包まれていく。
「これを見るために来た」と思えるほどの美しさ。
短いけれど、確かに心に残る時間だった。

夜景って“見るもの”だと思ってたけど、これは……全身で“感じる”ものだった。
🏞️ 21:30|ヴィクトリア・ピーク
– 高台から見下ろす、香港という名の星の海
登った者だけが見られる、もうひとつの光景がそこにあった。
バスに揺られてたどり着いたのは、香港島で最も高い山、ヴィクトリア・ピーク。
市街地を見下ろすこの展望地は、
夜の香港を一望できる、まさに絶景スポット。
アベニュー・オブ・スターズから見た正面の夜景もよかったけれど、
ここから見るそれは――
高さと角度の違いだけで、まるで別物に感じた。
光の粒が縫うように走る車、
点滅するネオン、遠くに広がる住宅街。
九龍半島から香港島まで、すべてが視界に入る圧倒的スケール。
バスで来たけど、ピークトラムで登るのも有名な手段。
ただ、トラムは混雑することもあるので、そのあたりは要判断かも。
ここに立つと、
「ああ、自分は旅をしてるんだ」って、
心の奥がじんわり熱くなる感覚に包まれる。
この景色だけで、また香港に来る理由になる――
そんな場所だった。
初日から香港の夜景を存分に満喫。香港の夜景については以下の記事でまとめています。

Photograph 写真で巡る香港 -part1-
雑踏、夜景、密集住宅、マーケット…街の鼓動を感じた記録です。

香港夜景スポット5選
🌙 23:30|深夜チャーハンが今日の旅を締めくくる
- 一日の終わりに選んだのは、やっぱり安心のあの味
旅人の胃袋に、ふわっと染みわたる夜の一皿。 長い一日を終えて、最後に選んだのはチャーハンだった。
たぶん、どこで食べても安定しておいしい。でも、それがいい。
眠る前の安心感をくれるごはんって、たぶんこういうもの。
香港のローカルなお店で、湯気の立つチャーハンをかきこむ瞬間――
「今日もいっぱい歩いたな」「ちゃんと生きたな」って、なんだかじんわり思えた。
旅の終わりは、特別じゃなくていい。
ちょっとした“自分だけの儀式”が、一日を物語にしてくれる。
そんなことを考えながら、眠りについた。
チャーハンさえあれば、生きていける。
ほんと、それくらいには思ってる。

美しい思い出、ラストはパラっと炒めて仕上げました。
食べ物、チャーハンとエッグタルトしか出てこないけど大丈夫?

このブログ、炭水化物でできてるから。

📘 Day1のまとめ|てくてく歩いて見えた香港の「始まり」
朝、マカオから橋を渡って始まったこの日。
眠らない街・香港は、予想以上に濃密だった。
モンスターマンションでは暮らしの重みを感じ、オフィス街と住宅街が交差する5kmの街歩きでは、“都市のリアル”に触れた気がした。
チョンキンマンションでの滞在は、旅人としての自分を見つめなおす時間に。
Sky100やヴィクトリアピークから眺めた夜景は、「ここに来てよかった」と心から思わせてくれる圧倒的な光の景色だった。
そして一日の最後は、いつものようにチャーハンで〆る。
特別じゃないけど、自分にとって大事な時間。
街を歩いて、何かを見て、思うことがあって、ちょっと疲れて、でも最後にまたちょっと笑える。
そんな一日が、旅を「自分のもの」にしてくれる。
次の日も、また歩きだす。
Day2へ、つづく。