マカオは中国南部・珠江デルタに位置する中国の特別行政区。 かつてポルトガルの統治下にあり、1999年に中国へ返還されました。東洋と西洋の文化が入り混じった街並みは「マカオ歴史市街地区」として世界遺産に登録されており、旅行者を魅了し続けています。
面積は東京の山手線の内側よりも小さい約33平方キロ。世田谷区の半分程度の面積とよく言われています。 人口は約70万人ながら、年間数千万人の観光客が訪れるアジア有数の観光都市です。
本記事では、そんなマカオの基本情報をまとめていきます。
マカオの公用語は 中国語(広東語)とポルトガル語 の2つです。さらに観光地では英語も広く使われており、国際色豊かな言語環境が特徴です。
・香港や広東省と同じ言語圏に属し、日常生活で最も多く使われている・標準的な中国語とは発音や単語が大きく異なる・「巴士(バス)」「的士(タクシー)」のように英語由来の外来語も多く、街歩きの中でその歴史を感じられる
・16世紀からのポルトガル統治の影響で、現在も公用語のひとつ・アルファベットを使う言語で、行政文書や道路名などに残っている。・例えばセナド広場は「Largo do Senado」と表記され、街角にヨーロッパの雰囲気を漂わせている
・観光都市として広く使われており、ホテルやカジノでは問題なく通じる・一方でローカル食堂などでは通じにくい場合もある
実際に、ローカルのスーパーでは全然通じなかったよ。
公式通貨は マカオ・パタカ(MOP) だが、観光では 香港ドル(HKD) も広く流通
両者はほぼ等価(1MOP ≒ 1HKD)で扱われるため、旅行者は香港ドルだけを持ち歩いても不便はほとんどありません。
両方保持しておくと便利ですが、旅の目的によって割合を調整するのがおすすめ。例えば…
カジノでたくさん遊びたい!!
この後香港に行く!!
とかであればHKDを多めに用意するなど、臨機応変に!
物価は香港に比べると安め。ローカル食堂なら 日本円で1,000円程度 で食事が可能(2025年9月時点)。一方で、カジノリゾートや高級ホテルは日本と同等か、それ以上の価格帯になります。
さらに北部エリア(中国本土側に近い場所)へ行くにつれ、中華人民元(CNY) が使える店も増えてきます。街歩きの中で「地域によって使える通貨が変わる」のを体感できるのも、マカオの面白さのひとつです。
最北部周辺はほとんど「人民元」表記でびっくりしちゃった…
日本が正午のとき、マカオは午前11時です。
この差はとても小さいため、時差ボケの心配はほとんどありません。深夜便での到着や、香港・マカオを組み合わせた弾丸旅行でも体調を崩しにくいのは大きなメリット。
服装は季節に応じて調整が必要ですが、基本的には日本の本州と似た感覚で準備すれば問題ありません。
冬場が一番日本と差があって服装難しそう。
日中はコート要らないって思ったけど、夜は少し冷えたから持っていくのをおすすめするよ。
観光目的の短期滞在はビザ不要で、最長90日間の滞在が可能※日本のパスポート保持者を想定。
香港と同じく「一国二制度」の枠組みの中で独自の入出境管理を行っているため、中国本土とは別の扱いになります。そのため、中国本土に立ち寄る場合は別途ビザが必要になる場合があるので注意が必要です。
およそ 70万人(2025年時点)。宗教は多様で、仏教・道教・キリスト教(カトリック) が共存。
面積はわずか約33平方キロと狭いながら、世界でも有数の人口密度を誇ります。さらに観光客は年間数千万人にのぼり、街は常に活気にあふれています。
市内には大小さまざまな寺院や教会が点在し、街を歩くだけで多宗教文化を肌で感じられます。
道教や仏教など、複数の影響を受けた寺院。航海の守護神・媽祖を祀り、古くから地元の信仰を集めています。
16世紀に建てられたカトリック教会で、東洋と西洋の宗教文化が交差した象徴的な存在。
世界有数の富裕地域で治安は比較的安定。
マカオは小さな地域ですが、世界有数の富裕地域です。主な収入源はカジノを中心とした観光産業で、GDP(国内総生産)は一人当たりで見ると世界トップクラス(2025年時点で8位)。カジノ収入はラスベガスを上回る規模を誇り、観光関連産業も街全体を支えています。
一人当たりGDPはシンガポールに次いでアジア2位!!
豊かな経済基盤のおかげで、マカオの治安は比較的安定しています。
観光地は警備体制がしっかりしており、夜でも人通りが多く安心して歩けるエリアが多いです。実際、女性の一人旅でも安心できる都市として旅行者に人気があります。
ただし、大きな観光都市である以上、スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。特にセナド広場やカジノ周辺は人が集中するため、貴重品の管理は欠かせません。
実際どうなの?治安。
宿高すぎて泣く泣く深夜徘徊してたけど、怖い場所はなかったかな~。
……それ、治安の話じゃなくて“財布の治安”の問題だろ。
※夜は一応しっかりと注意して下さいね
日本からマカオ国際空港への直行便は限られており、現在は 成田空港発着が中心。ただし便数は少ないため、多くの旅行者は 香港経由 を利用しています。
香港国際空港からは、いくつかのルートでマカオに入境可能です。
①バス:世界最長の海上橋を走る直通バスで約45分。24時間運行で利便性が高く、深夜便到着後の移動にも便利です
②高速フェリー:所要時間約1時間。香港島や九龍から出航しており、海上移動ならではの開放感を楽しめます。
③ヘリコプター:香港島からマカオまで約15分。料金は高額ですが、特別な移動体験として人気があります。
特に①のバスで移動する方法については、以下の記事で詳細をまとめています。
2種類のバス会社を利用したパターンを紹介。
マカオは400年以上にわたりポルトガル統治を受けた歴史を持ち、東洋と西洋の文化が自然に融合している都市です。
・建築:中国風の寺院と、ポルトガル様式の教会や広場が隣り合っている。
・食文化:広東料理とポルトガル料理が合わさり、エッグタルトやマカオ料理といった独自のグルメが誕生。
・言語と宗教:広東語を中心にポルトガル語、カトリックと道教・仏教が共存。
そして、これら文化の共存を存分に楽しめるのは、やはり 世界遺産「マカオ歴史市街地区」。セナド広場や聖ポール天主堂跡をはじめ、30件もの建築物や広場が登録されており、街歩きしながら歴史を感じられます。
世界遺産の詳細は、こちらの記事で詳しくまとめています。
半日で全世界遺産を効率的に巡るルート紹介。
30スポット完全保存版
世界遺産+街歩きで東洋/西洋文化の融合を存分に楽しもう!
また、コタイ地区のリゾートホテル群や、マカオタワーの夜景も見逃せません。文化とエンタメの両方が楽しめるのが、マカオ観光の大きな魅力です。
きらめく街並みとおすすめスポットガイド
地図と写真でわかる絶景スポット
コタイの夜景は本当におすすめ。是非夜に行ってみてください。
・バスマカオ市内の移動は主に路線バス。運賃は交通系ICカード「マカオパス(Macau Pass)」(IC)利用で3MOPと安価で、主要な観光地をほぼ網羅しています。マカオパスは観光客でもコンビニなどで購入できます。※現金の場合は6MOPかつおつりの返済は無し
・タクシー料金は香港に比べると安めで、移動手段として使いやすいです。ただし、観光地や夜間は台数が不足することも。行き先を中国語やポルトガル語でGoogle翻訳などで見せるとスムーズです。
・シャトルバスカジノリゾートや大型ホテルが運行する 無料シャトルバス も便利。フェリーターミナルや空港から各ホテルまで利用でき、観光客でも気軽に乗ることができます。
・LRT(ライトレール)2019年に開業した新しい都市鉄道。現時点では タイパ地区が中心で、マカオ国際空港・タイパフェリーターミナル・コタイのリゾートホテル群を結んでいます。自動運転の車両からは景色を眺められ、観光気分も楽しめるのが魅力。まだ路線は限定的ですが、将来的にはマカオ半島側まで延伸予定です。
マカオパスは現地のセブンイレブンや自動販売機で購入可能!
大型ホテルやカジノ、ショッピングモールには清潔なトイレがあります。観光地では公衆トイレも設置されていますが、ローカルエリアでは紙が備え付けられていない場合があるため、ポケットティッシュを持参すると安心。
特にカジノエリアのトイレ、綺麗&豪華すぎてびっくりした。
マカオの電圧は 220V/50Hz。日本(100V)よりも高いため、電化製品によっては変圧器が必要になる場合があります。コンセントの形状は複数あり、主に:
・タイプBF(角型3ピン)
・タイプB3(丸型2ピン)
・タイプC(丸型2ピン)
が使われています。ホテルによっては異なる形状が混在しているため、マルチタイプの変換プラグを用意しておくと安心です。
スマートフォンやノートPCなど、最近の充電器は「100〜240V対応」が多いので、変圧器は不要なケースが大半。ただし古い家電を使う場合は注意が必要です。
観光地や大型ホテルでは無料Wi-Fiが整備されています。ただし街歩きで地図アプリを使うなら、日本でSIMカードやeSIMを事前購入しておくと安心です。
水道水は飲用に適していないため、ミネラルウォーターを購入するのが一般的。スーパーやコンビニで手軽に購入でき、価格も安価です。
マカオは観光都市として安心して楽しめますが、旅行中にトラブルを避けるために知っておくべき禁止事項や注意点があります。
カジノ内部は撮影禁止です。写真や動画を撮るとスタッフに注意されるだけでなく、最悪の場合は退場処分になることも。ゲーム中の撮影も厳禁です。
ギャンブルはカジノのなどの公営施設のみ認められています。こういった公営施設では、パスポートの提示が必ず求められます。
レストランやホテル、公共施設などの屋内は全面禁煙。指定の喫煙所や屋外スペースのみで可能です。違反すると罰金を科されることがあります。
街の清掃は行き届いており、ポイ捨てや路上での喫煙は厳しく取り締まられています。違反すると数百MOPの罰金が科される場合があります。
カジノでの撮影以外は基本的な事だから大丈夫!!
マカオは香港と同じく、中国に返還されたあとも「一国二制度」の枠組みのもとで運営されています。これは「一つの中国」の原則を守りながらも、返還前の制度を50年間維持するという方針で、2049年まで続く予定です。
・独自の通貨(マカオ・パタカ)
・本土側とは異なる「資本主義」的な経済システムや独自の法律/司法制度
・入出境管理(パスポートにスタンプ)
マカオは、面積こそ小さいものの、そこに 歴史・文化・エンタメ・グルメ がぎゅっと凝縮された特別な街です。時差はわずか1時間、アクセスも香港経由で簡単。初めての海外旅行先としても訪れやすく、リピーターを惹きつける奥深さも持っています。
この記事で紹介した基本情報を押さえておけば、現地での行動もぐっとスムーズになります。あとは実際に歩いて、自分だけのマカオの景色を見つけてみてください。
結局、マカオってどういう街?
小さいけど、歴史も文化も夜景もカジノもギュッと詰まった街!
……説明になってるようでなってないな。ま、行けばわかるってことか。
世界遺産・夜景・マイナースポットまで、マカオのおすすめ観光地15選を写真と共にご紹介!
1泊2日で楽しむ絶景・街歩き・世界遺産巡りの旅
昼と夜、それぞれの時間に出会った景色を静かに切り取りました。
空腹を忘れるくらい、マカオが楽しかった。それでも食べた旅の味。
本当に役立った旅の相棒たち。
1泊2日のリアルな出費記録