のんびりとした時間が流れるコロアネ

海辺の街並みとおすすめ散策スポット

はじめに

のんびりとした空気が流れる、海辺の街。
マカオの南端にある小さなエリア、コロアネはそんな場所だった。

きらびやかなコタイのリゾート群から少し離れると、そこにはゆったりとした時間が流れていた。

カジノのネオンも人混みのざわめきもなく、代わりにあったのは、海から吹く潮風と、カモメの声。
エッグタルトを求める人々の笑顔が広がる小さな通り、静かに佇む教会、どこか懐かしいパステルカラーの街並み。

今回の旅では、長く滞在できたわけじゃない。
けれど、その短い時間の中で、ふと心がほどけていくような瞬間がいくつもあった。

そんなコロアネの景色を、写真と一緒に歩いてみませんか?

👟 コロアネ散策の魅力

コロアネを歩くと、心がゆっくりと解けていくのを感じた。
車の音も、カジノのきらびやかな音楽も、ここには届かない。
代わりに聞こえるのは、波が岸辺に寄せる音、時折吹き抜ける潮風、そしてどこからか漂うエッグタルトの甘い香り。

海沿いの道を歩きながら、ふと振り返ると、リゾート群の高層ビルが遠くに霞んで見えた。
同じマカオにいるはずなのに、ここはまるで別の世界のようだった。

ロード・ストウズ・ベーカリーの前だけは少し賑わいがあって、エッグタルトを買う人たちの笑顔が広がっていた。
けれど少し路地に入ると、人通りも少なく、時間の流れがゆっくりと戻っていくような感覚があった。
街の壁には色あせたペイント、軒先に揺れる花の鉢、少し古びた建物。
派手さはないけれど、その素朴さが、どこか懐かしく、愛おしかった。

「コロアネは、静けさを楽しむ場所だ」
そう思いながら、私はまた一歩、歩を進めた。

⛪ コロアネおすすめスポット

📍 ロード・ストウズ・ベーカリー (Lord Stow's Bakely)

マカオに来た最大の理由がこれ、と言っても過言じゃない。 このエッグタルトを食べるために、わざわざマカオに来たようなものだった。 それくらい楽しみにしていた場所、ロード・ストウズ・ベーカリー。 日本にも支店があって、大阪の道頓堀で初めて食べたあの味が、ずっと忘れられなかった。 「本場の味はどうなんだろう?」そんな気持ちを抱えながら、コロアネの街を歩き、このお店にたどり着いたときは本当に嬉しかった。
一口食べた瞬間、正直、大阪で食べたときの感動を思い出した。 でもそれ以上に、バターの香ばしさと卵の風味の濃さが、一気に心を奪っていった。 「やっぱり本場は違う…!」 そう思わずにはいられなかった。 美味しすぎて、気づけば8個も食べていた。…体重?それはもう、しょうがない。笑 やっぱりここが、ダントツで一番美味しかった。 本場で食べるロード・ストウズのエッグタルトは、ただのスイーツじゃなく、旅の思い出そのものになった。

📍 コロアン埠頭 (PONTE CAIS DE COLOANE)

コロアネの街を歩いていると、ふと視界が開ける場所がある。
海辺に向かって伸びる細長い桟橋、PONTE CAIS DE COLOANEだ。
桟橋に立つと、目の前には穏やかな海が広がり、遠くには小さな漁船が揺れている。
風の音と波のさざめきだけが聞こえるこの場所は、マカオの他の賑やかなエリアとは全く違う空気をまとっていた。

桟橋の先から海を見つめると、コタイ側のリゾート群が遠くに見える。
特にひときわ目を引くのは、あのギャラクシーマカオ。
遠くから見ても、その存在感は圧倒的で、まるで海を挟んだ向こう側の「夢の世界」を象徴しているようだった。

そして、視線を少し横に移すと、対岸には中国本土の珠海市のビル群が立ち並ぶ。
経済特区というだけあって、その高層ビルの多さと迫力には思わず「おお…」と声が出てしまった。
(ちなみに、ちょっとした豆知識だけど、マカオ大学のキャンパスは実はこの珠海側にあって、マカオ本島にはないんです。)

潮風が頬を撫で、心の奥までスッと抜けていくような感覚があった。
ここにいると、時間がゆっくりと流れていくような気がする。
特別な何かがある場所じゃないけれど、何もないそのシンプルさが、むしろ心に残った。

「またここに来たいな」
そう思わせてくれる、不思議な場所だった。

📍 聖フランシスコ・ザビエル教会 (Chapel of St. Francis Xavier)

コロアネ村の中心に、ひっそりと佇む小さな教会。
それが聖フランシスコ・ザビエル教会だ。

パステルイエローの外壁と白い装飾がかわいらしく、どこか南国の空気をまとった建物。
まるで絵本の中に出てくる教会のような、優しい佇まいが印象的だった。
扉の前に立つと、潮風と一緒にほんのり香るお花の匂い、足元の石畳の感触、そして、どこか懐かしい静けさが心を満たしていった。

観光地の一角にある場所ではあるけれど、ここには観光地らしさを感じさせない穏やかな時間が流れていた。
日が傾き始めた頃、教会の壁に夕陽が差し込むのを眺めながら、「ここは時間が止まったような場所だな」と、ふと思った。

コロアネののんびりとした空気感を象徴するような、小さな教会だった。

📍 コロアネの街並みとウォールアート

コロアネ村を歩いていると、ポルトガル様式の建物が並ぶ街並みが目に入る。
黄色や水色、ピンクに塗られた壁、白い縁取りの窓、石畳の道…
素朴でカラフルな街の景色が、どこかほっとする気持ちにさせてくれる。

そして、そんな街並みの中にふと現れるのが、色鮮やかなウォールアートたち。
観光地として大々的にPRされているわけではないけれど、散策していると「ここにも!」「あっちにも!」と、あちこちで出会えるのが楽しい。

中でも私のお気に入りはトラのウォールアート。
少し上目遣いでこちらを睨むような表情がかっこよくて、思わず写真を撮らずにはいられなかった。
大胆な線で描かれたトラの顔は力強く、それでいてどこか愛嬌があって、「コロアネの静かな街の中で、こんな迫力のある絵に出会えるなんて!」と感動したのを覚えている。

他にもいくつかウォールアートが点在していて、
「街並みを楽しみつつ、宝探しをするようにウォールアートを探す」
そんな楽しみ方ができるのも、コロアネならではの魅力だと思う。

📷コロアネで出会った小さな風景たち

🧭コロアネを歩いて感じたこと

マカオのきらびやかな街並みから少し離れた場所にある、コロアネ。
この街を歩いて感じたのは、都会の喧騒とは違う、穏やかで、ゆったりとした時間の流れだった。

豪華なリゾートや高層ビルが立ち並ぶマカオの印象とは違って、ここには、カモメの声、潮風の音、石畳を踏みしめる足音、そんな日常の音だけがそっと響いていた。

長く滞在したわけじゃないけれど、短い時間の中でも、ふと足を止めて深呼吸をしたくなるような、そんな瞬間がいくつもあった。

派手さはないけれど、だからこそ心に残る街、コロアネ。
またいつか、のんびりと歩きに来たい。
そう思える場所だった。